今週のお題「お弁当」
ということなので、こめむちのお弁当の思い出話。
中学校の頃は母の作ったお弁当を持って通っていた。
自分で料理をするようになってから、朝早く起きて料理するのは大変だっただろうなと思って感謝した。
お弁当は、甘めの塩鮭の時も、塩辛めの塩鮭の時もあった。
煮物だらけで茶色い時もあれば、野菜が入って綺麗な時もあった。
前日のハンバーグの余りの時も、冷凍食品のハンバーグの時もあった。
いなり寿司だけが詰まっていたこともあった。
ある日、ソース少なめの焼きそばだけが入ったお弁当だった。
以前、休日に祖母が作ってくれた焼きそばが、ソースを少なめに使ったものだったので(薄味だけど何故だかおいしい謎)、ああ今日は祖母が作ってくれたのかと思った。
祖母に「今日はばあちゃんが作ってくれたの?」と聞いたらニコニコしていた。
数年前、祖母の葬儀で祖母の料理の話になった。
「○○とか○○とか、孫のお前たちが好きなもの、色々作ってくれてねぇ」
ん?
あれ?
こめむちと兄弟、きょとん。
祖母は和食、母は洋食を作っていたイメージが強かったのだが、祖母は洋食も作っていた。
母の味だと思っていた味が祖母の味疑惑。
おいしかったなーと思っていた思い出の味の多くが祖母の作ったものかもしれない。
よく母と祖母は一緒に台所に立ち、料理をしていた。
朝、こめむちや兄弟はギリギリまで起きない。そういえば母は時間にルーズだった。
お弁当の中身を詰めていた母の姿の記憶はある。
誰がいつ中身を作っていた?
いつのどれが誰の味だった?
夜、料理を手伝った時、母は何をしていた?何が得意だった?母だけが作った料理は何だった?
記憶を整理するこめむちたち。
優しい母、優しい祖母。
思い出の中の二人は仲が良かった。
葬儀では追い討ちに、こめむちたちには絶対に見せなかった母と祖母の確執についても聞いた。
どれが誰の料理だったのか、なんとなく真実を予想はできたけれど、怖くて今更聞けないこめむちたち。
あの日の祖母の笑顔の心の中はどんなだったのだろう。